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「やってはいけないウォーキング」というショッキングなタイトルの本が売っていたので買ってみました。ウォーキングは体によさそうというイメージがありますが、間違った歩き方で逆に健康を損ねるという話です。

「やってはいけないウォーキング」青柳幸利(著)

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以前に「ウォーキングダイエットは何歩歩けば痩せるのか」という記事の中で、「たけしのみんなの家庭の医学」(2016/01/12放送)で紹介されていた一体何歩歩けば健康でいられるのか?という話を紹介しました。

ウォーキングダイエットは一日何歩歩けば痩せるのかを検証してみた

今回紹介する「やってはいけないウォーキング」は、そのとき番組内で解説を担当されていた青柳幸利先生の本です。

群馬県中之条町に住む65歳以上の全住民5,000人を対象に1日24時間365日の生活行動を15年にわたって収集・分析し、身体活動と病気予防の関係について調査したという「中之条研究」をもとに「誰もが健康であり続けられる歩き方」について解説された本です。

以下のような項目が気になる人におススメの本です。

  • ウォーキングはとりあえず毎日1万歩歩けばいいと思っている
  • 早朝のウォーキングが危険な理由
  • 運動は1日のうち何時から始めるのが正解なのか
  • 消費カロリーは健康的に運動する指標にならない?
  • ランナーに貧血が多い理由
  • 健康におよぼす影響が強いのは「遺伝」と「生活習慣」のどちら?
  • 運動すればするほど不健康になってしまう理由
  • どんなウォーキングをすれば健康にいいのか?
  • なぜウォーキングは健康にいいのか?

ウォーキングの歩数と病気予防のボーダーラインの関係性

歩数 中強度活動(※1)
うつ病 4,000歩 5分
心疾患
脳卒中
認知症
5,000歩 7.5分
骨粗しょう症
骨折
一部のがん(※2)
7,000歩 15分
脂質異常症
糖尿病
高血圧症
8,000歩 20分

解説
東京都健康長寿医療センター研究所
老化制御研究チーム副部長
青柳幸利先生

(※1)
中強度活動というのは大股での早歩き(歌は歌えないが会話は何とかできる程度のきつさ)や階段の上り下りなど、普通に歩くよりちょっときつめの運動のことだそうです。

(※2)
予防可能と考えられる一部のがんとは以下の4つだそうです。
①大腸がん
②肺がん
③乳がん
④子宮内膜がん

以前の記事でも紹介したテレビ番組内の表ですが参考になるので再掲します。

本のなかではもっと詳しく各項目について解説されています。

この表の中では省略されているのですが、メタボリックシンドロームの人は10,000歩(中強度の運動30分)が目安になります。

歩数基準のみのウォーキングは健康を損ねる原因に運動をするときは量と質を考える必要があるそうです。

上の表を見てもらえればわかりますが歩数(運動の量)と中強度活動時間(運動の質)がセットになっているのがポイントです。

本書の中に毎日1万歩歩いているのに骨粗しょう症になってしまった女性の事例がでてきますが、運動量だけを基準にしていると危険です。

また単純に歩きすぎても今度は健康を損ねてしまうそうです。

ポイントはほどほどの運動だそうですがそのラインは8,000歩(中高度の運動20分)です。

1万歩という歩数基準はメタボリックシンドロームに悩む人にとっては有効だがそれ以外の人にとっては歩きすぎなのだそうです。

逆に1万歩以上歩くと免疫力が下がってしまうのでメタボリックシンドロームが解消した後は8,000歩に戻したほうがいいです。

本書冒頭にスポーツをする体力と病気を予防する体力は別物なのだという話がでてきますが、運動量と免疫力にはトレードオフの関係があるようなのでやみくもに運動すればいいというわけはないそうです。

本書のまとめ

  • 運動と免疫力の関係
  • 運動は「量」と「質(運動強度)」で考える必要がある
  • ウォーキングをすることで理想的な体温にでき、免疫力の向上をはかれる

健康のためには万歩計ではなく活動量計がおススメなワケ

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本書のベースとなった「中之条研究」のモニターさんは全員「活動量計」をつけていたそうです。

万歩計は名前のとおり歩数しか表示されませんが、活動量計は歩数だけでなく24時間の歩行、走行、生活、安静の各時間の割合や消費カロリー、脂肪燃焼量、活動時間、移動距離などが把握できます。

また個人情報の設定も年齢、性別、身長、体脂肪率、歩きの歩幅、走りの歩幅と細かいです。

これを1週間つけて生活していると自分の活動内容がよくわかります。

僕はお風呂に入るとき以外は常につけています。

タニタの活動量計(万歩計) カロリズムで日常生活の運動量を視覚化する


単純に一日の歩数を計測するだけでなく各運動の割合や24時間における活動量の分布図もみることができるのがポイントです。

これによりかなり正確に自分の一日の活動内容が把握できます。

つまり活動量計により運動の「量」と運動の「質」の両方の計測が可能になります。

本の中で毎日犬の散歩をしているのにうつ病になってしまった人の話が出てきますが、これは運動している時間だけに着目していたために起きた事例です。

一日のトータルの過ごし方がポイントになってきます。

追記

生活習慣が一変する!GPS内臓のGARMINランニングウォッチ ForeAthlete 935を購入


ランニングウォッチというのを買ったのですが、こちらも運動の質と量の両方をより高精度に把握できます。

通常の歩数計測に加えて活動の種類や脈拍、走行フォーム解析などを自動で専用アプリに記録してくれます。

GPS内臓なのでスマホを持ち歩かなくても位置情報や走行・歩行経路を記録できるので夏場のランニングなどにも便利。

最後まで記事を読んでいただきありがとうございます。この記事が役に立ったなと思ったらSNSでシェアしていただけるとうれしいです。