たまたま見たスペインのミステリー映画ですが面白かったので記事にしてみました。正式には「インビジブル・ゲスト 悪魔の証明」です。

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インビジブル・ゲスト 悪魔の証明 のあらすじ

山奥のホテルの一室で密室殺人が起きた。写真家のローラが殺害され実業家のドリアも何者かに襲われ負傷。2人は不倫関係にあったため男女関係のもつれと考えた警察はドリアを殺人容疑で起訴。ある夜ドリアのもとに凄腕弁護士のグッドマンが訪ねてくる。検察が新しい証言者を用意したので3時間後の法廷審理までに事件の細部を詰め、反証を用意する必要があるという。

絶対的に不利な状況だがグッドマンはローラ殺害事件の前に起きたある青年の失踪事件について語り始める。失踪した青年とローラの死、2つの事件にはどんなつながりがあるのか-

悪魔の証明とは

漫画やアニメのたとえ話でよく出てくるイメージがありますね。何年か前にサイコパスというアニメの中に出てきていたと思います。

詳しくは調べてほしいのですが、簡単に書くと「ある(存在する、起きる)」ことを証明するには一例をあげればよいが「ない(存在しない、起きない)」ことを証明するのは難しいというたとえ話です。

例えば宇宙人がいるということは宇宙人が一人(体?)でもいれば証明できますが、いないことを証明するのは不可能に近いというわけです。

インビジブル・ゲスト 悪魔の証明 のデータ

2016年製作のスペイン映画。「スガラムルディの魔女」のマリオ・カサスが主演。監督脚本は「ロスト・ボディ」のオリオル・パウロ。

製作(公開)
スペイン(2016年)

監督
オリオル・パウロ

出演
マリオ・カサス
アナ・ワヘネル
ホセ・コロナド
バルバラ・レニー
フランセスク・オレーリャ

インビジブル・ゲスト 悪魔の証明 のネタバレと感想

ネタバレ(事件の真相)

実業家のドリアはローラとの不倫旅行の帰宅中にシカをよけようとして地元の青年ダニエルと自動車事故を起こす。ドリアは不倫の発覚を恐れ事故自体をなかったことにするために瀕死のダニエルを車ごと湖に沈める。ドリアはさらにローラを使ってダニエルが銀行からお金を横領していたと偽装し、ダニエルは横領から逃れるために失踪したという設定を思いつく。

一方で事故で壊れた車をダニエルの父に修理してもらい、ダニエル家でもてなされたローラは良心の呵責に耐え兼ね精神を病んでしまう。耐えきれなくなったローラはダニエルの両親に真実をはなすことで重圧から逃れようとする。

死んだダニエルは戻ってこないがドリアとともに自首し、車を沈めた場所を明らかにして賠償のお金を支払おうと考えたローラ。目撃者がいたことをちらつかせてドリアにお金を用意させダニエルの母親が働くホテルに呼び出し、名簿にドリアの名が残るように偽装する。

ローラに呼び出さたドリアはローラにハメられたことに激高しローラを殺害。自身も鏡に頭をぶつけて何者かに襲われたと偽装するがホテルへ駆けつけたダニエル夫妻は何があったのかを察する。ダニエル夫妻は動かない警察をあてにするのをやめ自の手で真相を明らかにすることに。

ローラ殺害容疑がかけられたまま警察の監視下にあるドリアのもとに、有能なグッドマン弁護士に変装したダニエルの母がやってくる。真相を知る彼女の目的は2つ。ダニエルを沈めた場所を聞き出してダニエル殺害を立証し、事件の真相を自白させ盗聴器を使って録音すること。

法廷に新たな証言者が現れたので3時間後までに事件の真相を細部まで確認し対策を練りたいという偽グッドマン弁護士(ダニエル母)のワナにはまり、ドリアはすべて自供してしまう。

感想

嘘が嘘を呼び雪だるま式に膨らんでゆく

不倫の発覚を恐れ、一つの事故を隠ぺいするために助かるかもしれなかったダニエルを殺害し、さらにその嘘を隠すために愛人のローラまで殺害することに。嘘が嘘を呼び、逃げ切るために知恵を絞り大金を使っていたのに、結局すべてを知るダニエル夫妻の掌の上で踊らされていただけであることが分かった時のドリア役のマリオ・カサスの表情が秀逸。いい役者だなあ。

悪魔の証明

この映画の副題は「悪魔の証明」です。上でも解説したように悪魔の証明は、「ある」ということは証明できるが「ない」ということの証明は不可能に近いというたとえ話です。

密室劇だから悪魔の証明という副題を使ったのかと思いましたが、ドリアは基本的に存在しない犯人を証明しようとして墓穴を掘っていくのでその例えなのかな?よくわからないけど。

情報量の調節のうまさ

監督・脚本は同じ人なんですがこの人は映画における情報量の調節が非常にうまい思いました。時間に対してどれくらいのエピソードを詰め込めるのかというのはある程度決まっていますが、ちょうどいい。

エピソードの配分を間違えて少なすぎると妙にスカスカした印象になったり、逆に詰め込みすぎると話についていけなくなり眠くなる映画が出来上がるんですがこの脚本家はそのへんのさじ加減が絶妙。

話がややこしい部分では、あることをセリフで説明しながらセリフの内容とは別の映像を流して情報量を増やし、二重で情報を視聴者に与えて整理させるなど細かい工夫がしてあります。セリフと映像の連携が抜群。ちょっと全体的に説明過剰な感じもしますが後半の畳みかけるシーンは気持ちいい。

人間の集中力は20~30分くらしか続かないのでミステリーには物語を整理する時間が必要ですが、話がダレそうな部分にはちゃんと整理する時間を配置してあります。

伏線張り方と回収

ドリアの回想をもとに映像が構成されているのでうまくミスリードされてしまいます。

ミステリーの生命線といえる伏線の張り方や回収方法もうまいです。ダニエルの父がローラを載せて家に向かう途中の妻が働いている場所や劇団仲間だった話など、一見ただのダニエルの父のキャラクターを立てるための雑談と思わせておいて終盤の忘れたころに回収。

「あ、なるほど。あそこで話していた内容はここにつながるのか」と納得。やっぱミステリーは伏線と回収だよなという気持ちよさがあります。もう一度見返すとよくわかりますがこの映画のセリフはほとんどが伏線になっています。

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