Googleアドセンスには関連コンテンツユニットという機能があります。ページビュー数や滞在時間を伸ばして広告収入の増収もできる機能ですが、掲載するには一定の条件があります。実際に設置してみての効果や感想について書いてみます。
アドセンスの関連コンテンツユニットとは
関連コンテンツは、サイトを閲覧しているユーザーに向けてサイト内の関連コンテンツを簡単に宣伝できる無料サービスです。
ユーザーにとって関連性が高いコンテンツが増えるので、サイトのページビュー数や滞在時間、ユーザーのリピート率、広告表示回数が向上し、広告収益の増加が見込めます。
引用元: 関連コンテンツ機能について
アドセンスのチュートリアルにあるように関連コンテンツユニットとはコンテンツを効果的にアピールできる機能のことです。
記事の下にこのように表示されます。
一見ブログの関連記事が並んでいるだけに見えますが…。
画像の明るい部分はこのブログの記事ではなく広告です。
薄く広告と書いてあるのがわかります。
画像は設置直後なのでいろんな記事や広告が適当に表示されていますが、一定期間たつと学習して関連性の高い記事や広告が表示されます。
グーグルによれば関連コンテンツの設置で、ページビュー数が平均9%、サイト滞在率が10%向上向上しているそうです。
関連記事となじむ形で広告が表示されるので広告のクリック率も高いようです。
関連コンテンツユニットを設置するメリットとデメリット
メリット
ページビュー数や滞在時間が伸びる
Googleが検索結果の順位を決める評価基準の中にページビュー数や滞在時間の長さがあるといわれています。
1記事読んだだけで離脱せず他の記事もたくさん見られていたり、長い時間そのブログにとどまっているということは、そのキーワードを検索した人にとって有益な情報がたくさん書いてあるブログでる可能性が高いためです。
ブログやサイトの運営者は記事と記事を内部リンクでつないで回遊性を高めるなどの作業を行いますが、手作業なのでかなりの手間がかかります。
そのため記事を読む人に興味がありそうなコンテンツを自動表示してくれる関連コンテンツは非常に魅力的です。
関連コンテンツに広告を表示できる
一定の条件を満たせば関連コンテンツの中に自動で広告を表示することができるようになります。
ここでページビュー数が増えるというメリットが生きていきます。
アドセンスなどのクリック報酬型のアフィリエイトの場合、アクセス数がある程度必要になります。
設置するだけでページビュー数が伸びる可能性がある関連コンテンツは収益的にも魅力的なのです。
デメリット
関連コンテンツ掲載によるデメリットはない
関連コンテンツを掲載することによるデメリットはないので、Googleから連絡が来たら設置してみましょう。
関連コンテンツを掲載には条件がある
アドセンスは一つのブログで審査に通れば、基本的に所有するブログすべてに広告を掲載することができます。
もちろん規約に反するブログには掲載できません。
しかし関連コンテンツユニットはブログごとに条件をクリアーする必要があるのです。
たとえばAとBというブログを持っていてAブログで関連コンテンツ設置の条件を満たして設置可能になってもBブログに設置することはできません。
BブログはBブログで関連コンテンツの掲載基準をクリアーする必要があります。
アドセンスの関連コンテンツユニットの掲載条件
自分のブログが関連コンテンツを掲載できるか確認する
アドセンスのレポート画面を開きます。
「設定>自分のサイト>コンテンツが一致」を選択
そこに表示されているドメインが関連コンテンツが表示できるサイト(ブログ)です。
ちなみに関連コンテンツが表示可能になるとGoogleからメールが届きます。
僕はすっかり見落として1年以上放置していましたが、メリット・デメリットで見たように関連コンテンツにデメリットはないので、ブログがある程度育ったなと思ったら確認してみてください。
関連コンテンツユニットの掲載条件
関連コンテンツは、特定の要件を満たすサイト運営者様のみご利用いただけます。
ご利用になるには、サイトのトラフィック量とページ数が最低要件を満たしている必要があります。
この要件は、関連コンテンツによってサイトのユーザーに確実に優れたエクスペリエンスをお届けするために設けられています。
引用元: 関連コンテンツ ユニットのご利用資格
サイトのトラフィック量というのはアクセス数、ページ数というのはブログの記事数という意味になります。
ある程度のアクセス数と記事数がないと関連コンテンツの設置を許可しないよということです。
この表をみてると少しわかりにくいですが、ある程度のアクセス数と記事数があれば関連コンテンツの設置を認めるけど、収益が見込めない場合は関連コンテンツに広告を表示させないということになります。つまり3段階ですね。
- 関連コンテンツを設置不可(アクセス数・記事数不足)
- 関連コンテンツを設置可能(アクセス数・記事数が基準を満たしている)
- 関連コンテンツを設置可能&広告掲載(アクセス数・記事数が基準を満たし収益が見込める)
ブログやサイトの作成者ができることは良質な記事を書いてアクセスアップに努めるくらいしかできませんが、どの程度のアクセス数や記事数があればいいのでしょうか?
実はこのブログの場合、相当以前にGoogleから関連コンテンツの設置ができるよというメールが来ていたのですが、全くメールを見ていなかったのでどのタイミングで許可されたのかがわかりません。
そこでアクセス解析とメールが来ていた時期を照らし合わせたり、他のブログを参考にしてみるとある程度の基準が見えてきます。
- アクセス数(日):500PV~1000PV/日
- アクセス数(月):15,000~30,000PV/月
- 記事数:100記事程度
いくつかのブログの平均値なのである程度信ぴょう性はあるかなと。
あとアクセス数は一定してある程度ある必要があり、たまたま記事の内容がテレビで取り上げられて1日で数万PVを集めた場合でもダメなようです。
あと20~30記事の厳選された記事数でアクセスを集めるミニサイトのような規模の場合もダメみたいです。
要するに公式サイトの説明通りアクセス数と記事数の両方必要ということですね。
あと一定期間の運用期間が必要ではないかという話もあります(3~6か月程度)。
必要なPV数を見てもらえればわかるように結構幅があるので他にもなにか指標があるのでしょう。
アドセンスの関連コンテンツユニットの導入方法
アドセンスの関連コンテンツユニットの作成、設置は非常に簡単です。
アドセンスの関連コンテンツユニットの作成
グーグルアドセンスの管理画面にログインし、左のサイドバーから「広告>コンテンツ>広告ユニット」を選択します。
通常のアドセンス広告の作成と同じように、「新しい広告ユニット」をクリック。
関連コンテンツを選択します。
こちらが関連コンテンツユニットの設定画面になりますが、基本的にすべて最初の設定のままでOKです。
広告ユニット名は管理しやすい名前を付けます。
複数ブログがある場合はブログタイトルや管理番号をつけておくと管理しやすいです。
「ブログ名+関連ユニット+表示場所(記事下・サイドバーなど)」等自分がレポートを見た時にわかりやすい名前がおススメ。
広告オプションはそのままでOK
このブログのように記事の背景が白い場合は最初の設定のままでOKだと思います。
設置してみてアドセンス関連ユニットが周囲のコンテンツから浮いて見える場合はこちらで色や背景を調節します。
こちらも基本的にはそのままでOK。
レスポンシブを選択しておけば、パソコンやスマホ、タブレットの画面サイズに合わせて自動的に横長や縦長の関連ユニットが表示されます。
保存してコードを取得を押します。
アドセンスの関連コンテンツユニットの設置方法
コードを取得するボタンを押すとコードが表示されるので赤枠の部分をコピーしておきます。
Googleが推奨する成果が最大化する関連コンテンツの設置場所は記事の真下とサイドバーの中なのでとりあえずそこに設置します。
記事の真下に関連コンテンツユニットを設置する
このブログでは賢威というWordPressテーマを使用しているため賢威を例に説明しますが、基本的にどのWordPressテーマも似たような感じだと思うので参考にしてみてください。
WordPress管理画面のダッシュボードから「外観>テーマの編集」を選択。
個別投稿(single.php)を選択。
何もカスタマイズしていなければ61行目あたりに「</div><!–article-body–>」という記述があると思うのでその下にアドセンス関連コンテンツのコードを貼り付けます。
サイドバーに関連コンテンツユニットを設置する
関連コンテンツをサイドバーに設置するのは非常に簡単です。
WordPress管理画面のダッシュボードから「外観>ウィジェット」を選択。
テキストを選択してウィジェットを追加します。
赤枠部分に関連コンテンツのコードを貼り付けます。
関連コンテンツのコード作成時にレスポンシブを選択していると思いますが、ウィジェットに貼りつけると自動的に細長い関連コンテンツが表示されます。
タイトルは空欄でもOK。
関連コンテンツユニットの設置・収益効果
11.秘密保持
お客様は、当社の事前の書面による承諾なく Google 機密情報を開示しないことに合意するものとします。
「Google 機密情報」には、(a)本サービスに関連する一切の Google のソフトウェア、技術および文書、(b)本サービスとの関係において広告媒体の実績に関連したクリックスルー率その他の統計、
引用元: AdSense オンライン利用規約
アドセンスでは規約上、表示回数やクリック数を具体的に開示することが禁止されています。
規約にあるその他統計とは「ページのRPM」「インプレッション収益」「アクティブビュー視聴可能」も含まれると解釈します。
そこで今回は増減の比率のみの紹介とします。
関連コンテンツを掲載する前の直前の1週間をAとし、関連コンテンツ掲載直後の1週間をBとします。BをAで割ることで増加・減少率を算出することができます。
一見大幅に数値がアップしていますが、実は関連コンテンツ自体が生み出す収益は全体の2割程度でした。
しかし関連コンテンツの導入でブログの回遊性が向上しているのでその影響が大きいと思います。
設置直後は物珍しいのかたくさんクリックされていましたが、その後は下がって今は落ち着いています。
期間内にも記事は増やしていますし、アドセンスの設置個所をいじったり、見積もり収益などは時期や月初と月末でもかなり違うので単純比較はできませんが、体感的には関連コンテンツの導入で130~140%ほど各数値がアップしているように感じます。
テンプレートが表示する関連コンテンツはカテゴリーやタグをもとに表示しているだけですが、アドセンスの関連コンテンツはカテゴリー・タグに縛られず記事を読む人が興味のありそうなコンテンツを表示していっているようなのでクリック率も高いです。
設置当初はかなりズレた関連コンテンツを表示していましたが、ある程度データがたまってきたのか今はクリックされやすそうなコンテンツが表示されています。
関連コンテンツユニットの広告が表示されない場合の対応方法
収益性が見込めないと判断された場合、関連コンテンツユニットの広告が表示されないようです。
具体的にはアクティブビュー視認可能率やページRPMの数値などが悪いと広告が表示されないようです。
どちらもアドセンスのパフォーマンスレポートの画面で確認できます。
アクティブビュー視認可能率もページRPMもそれだけで記事が書けるほど長くなるのでここでは簡潔に説明します
アクティブビュー視認可能率
アクティブビュー視認可能率は簡単に言うと、表示される広告がどれくらい記事を読む人に見られているのか、という指標になります。
要するにアクティブビュー視認可能率が低いということは広告が読者に見られていないということになります。
広告が見られていないのでクリックされることもなく、当然収益性も低くなります。
アドセンスのアクティブビュー視認可能率は50%程度らしいので、それを大きく下回る場合は注意が必要です。
アクティブビュー視認可能率はいろんな要素の影響をうけるので単純にこうすれば改善するというのはありません。
記事下にしか広告がない場合などはアクティブビュー視認可能率が低くなりがちです。
まずは邪魔にならない程度に設置場所を移動したり記事タイトルの近くに広告を設置したり、記事中の広告数を増やしたりして様子をみましょう。
ページRPM
これもなかなかボリュームのある話題ですが、ページRPMは広告が1000回表示されたとしたらどのくらい報酬が発生すると見込まれるか、という指標になります。
このブログのような趣味・雑記ブログの場合ページRPMは2~300円程度が一般的といわれていますが、サイトやブログのジャンルによって大きく変わるため一概には言えません。
アクティブビュー視認可能率が50%前後あるのに関連コンテンツの広告が表示されない場合はページRPMが低いと判断されている可能性があります。