HDDをSSDに交換する方法

今使っているデスクトップパソコンは使い始めて7年以上になるのですが、いままで一度もハードディスク(HDD)を交換していないため、ここ数年寿命が気になっていました。

予算の都合で最初はまたHDDに交換するつもりだったのですが、SSDの価格を見たところ1万円前後で希望の容量のSSDが買えるということが分かったのでSSDに交換することにしました。

2,3年悩んでいるうちに値下がりしたようです。

HDDとSSDの違いとメリットデメリットについて

最初に軽くHDDとSSDの違いとメリットデメリットについて記載しておきます。

HDD(ハードディスクドライブ)について

HDDはHard Disk Drive(ハードディスクドライブ)の略です。

内部にプラッタと呼ばれる磁性体が塗られた金属製の円盤が複数枚格納されていて、磁気ヘッドを近づけることでデータの読み書きを行います。

HDDのメリット

HDDのメリットは何といっても容量あたりの単価が安いこと。パソコンだけでなくテレビの録画などにも向いています。

HDDのデメリット

しかしHDDはプラッタや磁気ヘッドが高速で駆動してデータの読み書きを行うという構造上、わずかな衝撃にも弱いというデメリットがあります。またSSDと比較して消費電力が大きいです。

SSD(ソリッドステートドライブ)について

SSDはSolid State Drive(ソリッドステートドライブ)の略です。

USBメモリーのように内蔵しているメモリーチップにデータの読み書きを行います。

SSDのメリット

SSDのメリットはデータの読み書きが非常に速いのでパソコンやソフトの起動が速くなります。

またHDDのような構造が不要なため省スペースで軽いです。消費電力や発熱が少なく衝撃にも強い、動作音がないためノートパソコンなど移動を前提としたパソコンにも向いています。

SSDのデメリット

HDDに比べるとまだまだ容量単価が高く大容量のデータの記録には向きません。

HDDをSSDに交換する手順と方法について

今回は元のHDDのデータを新しいSSDにそのままコピーする方法で行いました。

調べた中ではおそらくこの方法が一番簡単だと思います。

HDDをSSDに交換する手順
  1. SSDをSSDケースに入れてパソコンにUSBケーブルで接続する
  2. SSDを初期化する
  3. EaseUS Todo Backup(フリーソフト)を使ってHDDのデータをSSDにまるごとコピーしてクローンを作成する
  4. パソコンの電源を切って本体カバーをあけて電源ケーブルとSATAケーブルを外して古いHDDを取り外す
  5. SSDに電源ケーブルとSATAケーブルをつなぎなおして設置する
  6. パソコン本体のカバーを閉めて終了

この中で一番時間がかかるのは3番のHDDからSSDへのデータのコピーです。

コピー元のHDDのデータ容量やUSBケーブルの種類によって異なりますが、僕の場合データ容量約90GをUSB3.0で転送したところ30分ほどかかりました。

HDDとSSDの交換自体はケーブルを外してつなぎなおすだけなので10分もあれば終わります。

今回は40分ほどですべての作業が終了しました。

HDDのSSD交換に必要なものと予算について

SSDとSSDケースとSATAケーブル

HDDのSSD交換に必要なものは基本的にはSSDとSSDケースだけです。今回はSATAケーブルもついでに交換したので写真に載せています(右端)。

1TBのSSDが約12,000円でSSDケースが約1,200円でした。当然容量の少ないSSDを購入すれば予算はもっと抑えられます。

ただし購入するSSDの容量はコピー元のHDDの使用データ量よりも大きい容量のものを選ぶ必要があります。

今回はレビューや口コミで評判のよかったSanDiskのSSDを購入しました。

僕が買ったときはAmazonより楽天のほうが安かったので両方チェックしてみることをお勧めします。

>>AmazonのSSD一覧

>>楽天のSSD一覧

余談ですが僕が買ったSanDiskのSSDには「SDSSDH3-1T00-G25」と「SDSSDH3-1T00-J25」という型番がありますが流通経路による型番の違いなので商品は一緒です。Gはグローバル市場モデル、Jは日本市場モデルです。

こちらのSSDケースにSSDをいれて、付属のUSB3.0ケーブルでパソコンに接続します。

今回購入したSSDはHDDに交換するために使用するので、コピー(クローン)作成後はケースは不要となります。

また新しくSSDを買って外付けSSDとして再利用する予定です。

SATAケーブルというのはマザーボードとHDDやSSDなどを接続するケーブルなのですが、調べてみるとSATAケーブルも経年劣化するようなのでSSDと一緒に交換することにしました。

どこもおかしなところがないのに何故かパソコンの調子がおかしいので試しにSATAケーブルを交換してみたら直った、というようなこともあるそうです。

その他

今回は使用しませんでしたが、これはHDDとSSDを直接機械に差し込んでクローンを作成する機械です。

SSDケースは新しくSSDを買えば外付けSSDとして再利用できるのですが、この機械は他に使う用途がなさそうなので買いませんでした。

交換前のHDDの健康状態

交換前のHDDの状態

交換前のHDDの状態です。使用時間時間が35,000時間を超えています。

HDDの健康状態自体に問題はないですし、異常を感じたこともないですがやはり使用時間は気になります。

HDDやSSDの状態を見ることができるフリーソフトCrystalDiskInfo

上の画像のようなHDDやSSDの健康状態はCrystalDiskInfoというフリーソフトで見ることができます。

>>CrystalDiskInfo

HDDの寿命は何年?稼働時間の目安は?

いろいろサイトを調べてみるとHDDの寿命は平均3~4年程度(時間換算で約26,000~35,000時間)だそうです。

もちろん使用用途(PC用・テレビ用・ゲーム機用等)や、使用環境(温度・湿度・埃・衝撃等)によっても大きく差が出るのであくまで目安です。

寿命が近い前兆として以下のような症状が現れ始めます。

  • パソコンの動作が重くなる
  • データ破損、エラー頻度が増える
  • フリーズすることが多い

さらに末期になってくると、

  • 異音や異状な発熱がおきる
  • 焦げ臭いようなにおいがする

というような現象が起きることも。

実際にHDDをSSDに交換してみた

HDDからSSDにコピー(クローン)を作成するにあたって、誤った操作を防ぐために関係のない外付けHDDやSSDは外しておきましょう。

SSDをSSDケースに入れてパソコンにUSBケーブルで接続する

SSDをSSDケースに入れる

SSDをSSDケースにいれて付属のUSBケーブルでパソコンに接続します。

入れ方はケースによって違いますが、このタイプは画像のようにケースのフタを開けてSSDを差し込むだけです。

ちゃんと奥まで差し込まないとフタが閉まらないので間違えることはないと思います。

SSDを初期化する

マイコンピューター

新しいSSDをパソコンにつないでも、まだ認識されていないためパソコン上から確認することができません。

ファイル名を指定して実行

Windowsキー(キーボードの左下あたりにある窓の絵が描いてあるボタンです)を押しながら「R」キーを押して、名前のテキストボックスにcontrolと入力してOKをクリック。

すべてのコントロールパネル項目

すべてのコントロールパネル項目から「管理ツール」を選択。

管理ツール内のコンピューターの管理

管理ツール内のコンピューターの管理をクリック。

コンピューターの管理の記憶域のディスクの管理

コンピューターの管理の記憶域のディスクの管理を選択するとSSDの初期化画面が表示されるのでMBRかGPTを選択してOKをクリック。

自分のパソコンのHDDのパーティション形式がMBRかGPTわからない場合の確認方法は後述します。

コンピューターの管理の記憶域のディスクの管理

SSD(この場合はディスク1)の上で右クリック。

コンピューターの管理の記憶域のディスクの管理

新しいシンプルボリュームをクリック。

SSDの初期化

ここから先は特に変更する項目はないのでどんどん「次へ」をクリックしていきます。

SSDの初期化

次へをクリック。

SSDの初期化

次へをクリック。

SSDの初期化

次へをクリック。

SSDの初期化

完了をクリックすると新しいシンプルボリュームウィザードが完了します。

コンピューターの管理の記憶域のディスクの管理

SSDがコンピューター上で認識されました。

使用しているパソコンのHDDのパーティション形式がMBR形式なのかGTP形式なのか確認する方法

MBRまたはGPTの確認方法

使用しているパソコンのHDDのパーティション形式がMBR形式なのかGTP形式なのか確認する方法は、先ほどのディスクの管理画面のディスク0の上で右クリックするとMBRディスクに変換、またはGTPディスクに変換と表示されると思います。

  • MBRディスクに変換→今はGTP形式
  • GTPディスクに変換→今はMBR形式

このパソコンのようにMBR形式に変換と表示されるということは今はGTP形式だということなので、コピー先のSSDもGTP形式で初期化します。

EaseUS Todo Backup(フリーソフト)を使ってHDDのデータをSSDにまるごとコピーしてクローンを作成する

HDDのデータをSSDにまるごとコピーしてクローンを作成するにはEaseUS Todo Backupというフリーソフトを使用します。

EaseUS Todo Backupのダウンロードページ

>>EaseUS Todo Backupのダウンロードページ(窓の杜)

EaseUS Todo Backupは窓の杜からダウンロードすることができます。

EaseUS Todo Backupのアイコン

ダウンロードが完了したらEaseUS Todo Backupのアイコンをクリック。

EaseUS Todo Backupのセットアップ

コピーを作成するだけなら無料版で充分なのでそのまま次へをクリック。

EaseUS Todo Backupのセットアップ

言語は日本語でOK。

EaseUS Todo Backupのセットアップ

インストール先も初期設定のままでOKです。

EaseUS Todo Backupのセットアップ

使用許諾契約書の同意をクリック。

EaseUS Todo Backupのセットアップ

こちらも初期設定のままでOkなので次へをクリック。

EaseUS Todo Backupのセットアップ

こちらのチェックボックスはどちらも外してもOKです。

EaseUS Todo Backupのセットアップ

これでEaseUS Todo Backupのインストールは完了です。

この後すぐに使用するのでEaseUS Todo Backupを実行するのチェックボックスは入れたままでOKです。

EaseUS Todo Backupのセットアップ

EaseUS Todo Backupを起動するとライセンス入力の画面になりますが、今回は無料版を使用するので何も入力せず「後で」をクリック。

EaseUS Todo Backupの起動画面

EaseUS Todo Backupの管理画面左にあるクローン作成をクリック。

EaseUS Todo Backupでクローン作製

ここからコピー元(ソース)のHDDとコピー先のSSDを指定してクローンを作成します。

EaseUS Todo Backupでコピー元を指定

コピー元(ソース)はHDDなので上のハードディスク0を指定して次へをクリック。

EaseUS Todo Backupのコピー先

コピー先(ターゲット)は空のSSDなのでハードディスク1を選択して次へをクリック。

EaseUS Todo Backupでクローン作製

再度確認画面が表示されるのでソースとターゲットを確認して問題なければ実行をクリック。

EaseUS Todo Backupでコピー作成

コピー開始。

EaseUS Todo Backupでのコピー完了

今回は90G程度のコピーのため約30分で終了しました。

EaseUS Todo Backupでコピー作成完了

マイコンピューターにHDDとSSDのデータ両方が表示されています。

コピー作成後マイコンピューターを確認するとSSDにコピーしたローカルディスクがAドライブやBドライブと表示されていて、これHDDと交換してもこのままなのかな?と思ったんですが、HDDを外してSSDに交換するとちゃんとCドライブやDドライブと表記が変わっていました。

パソコンの電源を切り本体カバーをあけて電源ケーブルとSATAケーブルを外して古いHDDを取り外す

HDDからSSDへのクローンの作成が完了したらパソコンから古いHDDをを取り外してSSDに交換します。

デスクトップパソコンの場合

デスクトップパソコンのハードディスクの位置

パソコンケースによってまちまちだと思いますが、僕のパソコンの場合は赤枠の部分にハードディスクが設置されています。

今のところ1台のみですが、最大4台まで増設できるような設計です。

デスクトップパソコンのHDD

左側が電源ケーブルで右側がSATAケーブルです。

マザーボードに接続しているHDDのSATAケーブル

先ほどのHDDからでているSATAケーブルはマザーボードのSATAコネクタの1番につながっています。

今回は古いHDDとSATAケーブルを破棄して新しいSSDとケーブルに交換するのでこれも抜いてしまいます。

デスクトップパソコンからHDDを引き抜く

古いHDDはそのまま再フォーマットして再利用しようかとも考えたのですが、7年もたっていていつ壊れるかわからないので破棄することにしました。

ノートパソコンの場合

ノートパソコンのHDDの位置

ノートパソコンの場合もHDDのある場所は機種によってまちまちですが後ろを開けるとすぐわかります。

赤枠部分に2.5インチサイズのHDDが装着されています。

ノートパソコンのHDDを外す

取り外しもコネクタから引き抜くだけなので簡単です。サイズもSSDと同じ2.5インチです。

SSDに電源ケーブルとSATAケーブルをつなぎなおして設置する

デスクトップパソコンにSSDを接続する

SSDに電源ケーブルと新しいSATAケーブルを接続します。

3.5インチHDD用のスペースなので2.5インチのSSDを置くとスカスカですが、SSDはHDDのように回転体がないのでそのまま置いておきます。

Sabrent 2.5→3.5インチ変換、HDD/SSDマウンタ (BK-HDDH)

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固定しないと気になる人は2.5インチを3.5インチに変換するためのマウンタも売っています。

パソコン本体のカバーを閉めて終了

あとはパソコン本体のカバーをしめて終了です。

SSDに換装後のデータ

ちゃんとSSDが認識されています。

サンディスクSSDサポート

ちなみにSanDiskのSSDは「サンディスク SSD Dashboard」というソフトでSSDの状態を確認することができます。

寿命や温度も確認できるので異常の発見や交換の目安になると思います。

SSDに交換したのに「start pxe over ipv4」という表示が出てパソコンの起動が遅い

SSDに換装後最初にパソコンを立ち上げるとモニターに「start pxe over ipv4」という表示がでてなかなかパソコンが起動しません。

調べてみるとSSDがちゃんと読み込めていないのでBIOSの設定で読み込み先を変更する必要があるらしいということが分かったのですが、一旦電源を切って再起動したら今度は普通に起動するようになっていました。何もしなくてよかったのかな。

HDDからSSDに交換した感想

作業自体は驚くほど簡単でした。コンセントを抜き差しするのと変わりません。

SSDに交換直後のパソコンの立ち上げが遅かったので焦りましたが2回目以降は普通に起動しました。

HDDの時はパソコンの起動に50秒ほどかかっていたのがSSDの場合は5秒ほどで起動します。

あとPhotoshopなどのソフトの起動や、インターネットの表示が速くなりました。データやキャッシュの読み込みが速くなったせいでしょうか?

Nortonのウィルスチェックも早くなりました。

HDDの稼働時間が長いというだけで特にパソコンが重いとかは感じたことがなかったのですが、SSDに交換してみると結構時間がかかってたんだなということがわかります。

あとはログインしていたサイトが勝手にログアウトしたりしていました。

  • グーグルドライブなどの同期ができなくなっていたので再設定が必要だった
  • チャットワークやエバーノートなど一部サイトやアプリが勝手にログアウトしていた
  • パソコン版kindleアプリが登録端末から除外されていた

「このコンテンツを開くには、まずお客様のデバイスを登録してください」と表示されてkindleアプリが使えない

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